ごあいさつ・講演録

横浜市大にて講義メモ

2005/01

横浜市立大学
総合講義A「横浜と産業」  「横浜での産業の展望と企業経営のあり方」

社団法人横浜青年会議所 理事長 黒川 勝

1. 社団法人横浜青年会議所とは何なのか 16:10
① 青年会議所(JC)と言う団体の説明。
横浜JC正会員400名。20~40才の横浜在住または在勤の経済人の団体。シニアは1500名
宝田理事長・高梨商工会議所会頭もOB。横浜スタジアムの建設・赤レンガ倉庫の保存活用・みなとみらいの開発・F1レース・首都圏第三空港・横浜ドーム球場の建設などを提言。
横浜開港祭は24回。青少年育成事業、はまっこ育成プログラムは継続事業。
全国には728の青年会議所4万人の会員・横浜は4番目の規模・今年は専務理事を輩出・過去にはふたりの会頭。世界中には24万人・横浜からは過去に一人の会頭を輩出。

② 2005年度理事長としてやりたいこと。 運営テーマ「しあわせの選択」
「しあわせの選択」とは、溢れる情報・足りない時間の中で、トップリーダーは常に決断・選択を迫られる。目先の利益や楽しみでなく「しあわせ」というものさしで選択・決断をしていこう。
憧れのまち横浜・輝きのまち横浜・しあわせなまち横浜を創ることが運動の指針。
硬直した組織の進化による組織の強化・政策発信能力の向上・リーダーとしての資質の向上が目標。
3つの指針と3つの目標を持って組織を引っ張っていくのが私の役目。
仕事はスポーツクラブ経営。金沢文庫。会員募集中。アルバイトも募集中。
  
2. 横浜の歴史と地理的な条件 16:20
① 開港以来のはまっ子気質とはどんなものか。
文明開化で横浜には世界中からヒト・モノ・カネ・情報が集まった。
それを求めて日本中から横浜に憧れてヒトが集まった。
30数件の村落が150年で350万人に膨れ上がる特異な都市。
はまっこのアイデンティティは3日住んだら誰でもはまっこ。
受け入れるのも早いけど、まちのスタイルに合わない者を見捨てるのも早い。
誰もがチャンスをモノに出来る都市。ホスピタリティと包容力の大きな都市。
② 東京は田舎者の集合体、日本最大350万人の政令指定都市のプライド。
それでも地元の二代目三代目は東京に対する強い対抗心・コンプレックスがある。
大阪や名古屋はもっと田舎モノだと思っている。
異国情緒・おしゃれ・スマート・かっこつけたがり・やせ我慢が特徴。
③ 横浜が輝いた3つの時代「文明開化・絹貿易・米軍の接収」。
文明開化→世界の窓口として発展。
絹貿易→日本最大の貿易港として栄える。原三渓の時代。
米軍接収→アメリカの風を感じる街。音楽・ファッション・文化を発信。
④ 4度目の輝きの時が近づいている。
最年少の政令指定都市の首長。
ワールドカップの決勝戦。
民間の知恵を有効に活用。
アッパーミドルが人口の大半を占める。


3. 新しいビジネスチャンスはどこにあるのか 16:28
① IT関連・マネーゲーム関連・福祉関連の産業のこと。
自分の知らないことには興味はない。虚業とみなしている。
② コンテンツ産業は集積させられるかどうかが鍵となる。(YJCM)
映像文化都市構想。全てのメディアの受発信地の東京に近いメリット。
高コストの都心よりもちょっと離れていて、刺激を受けやすい横浜は集積する条件がそろっている。
未成熟産業には政策的な後押しが必要。税制の優遇・市民の理解・資金の調達・パトロネージュ
③ 行政から民間に移管される仕事の受け皿。(YJCM)
ごみの収集・水道料金の検収・給食・補助金・指定管理者制度・市場化テスト
民間の活力や競争力を活用していく時代。
④ 死ぬまで健康・元気でいることが日本を救う。
健康保険制度は病気の治療から病気の予防へシフト。そのほうが負担が少ない。
病気の予防とは運動すること。生涯スポーツに親しむ。ここに新しいビジネスチャンスの芽がある。
スパゲッティ症候群よりピンピンコロリが理想の人生の納めかた。
子供や社会に迷惑をかけずに死ぬということの「しあわせ」

4. 淘汰される企業・生き残る企業 16:35
① 悪徳業者しか生き残れない社会で良いのか。
請負業は競争入札。安く仕事ができる業者には無理がある。社会保険に入らない。自転車操業でお金を回している。世の中に貢献しない。税金も払わない。公害を撒き散らす。
② 企業倫理の規範がしっかりしている企業を認定する制度を作る。(YJCM)
横浜スタンダード認定基準(社会貢献企業が仕事を適正な価格で請け負える社会作り。)
「社員・家族・女性・障害者・外国人・消費者に優しい」「地域密着」「社会・環境に優しい」「情報公開」「企業倫理規定」「知的財産・個人情報」「横浜らしさ」

5. 都市間競争の激化と都市としての勝ち組戦略 16:45
① 自己責任の時代は住む都市の選択を誤るとしあわせになれない。
地方分権とは地方公共団体が自立して自治するということ。
税金・利便性・サービス・福祉・インフラ・教育すべてが住む場所によってちがって当たり前になる。
② 国家を超えて都市間FTAの時代がやってくる。(YJCM)
競争と協調の時代ではアライアンス《同盟》を都市間で組んで勝ち組グループになることが重要。
得意な分野を活かし、不得意な分野は切り捨てて他の都市に任せる。
規制を相互利益に繋げるために撤廃することは大義名分が立つ政策となる。

6. 直接金融が当たり前になる時代。(資金の調達方法が変わる) 16:55
① 行政の制度融資「補助金・助成金・公的資金」が民営化される。
経済局の仕分け作業。市場化テスト。
衰退産業を守るのか、新興産業を育成するのか。
ソフトランディングさせることも大切。
② 横浜債券市場・横浜証券市場の可能性。(YJCM)
公的資金という概念を民営化する。
小さな行政府でも民間の知恵と活力があれば経済は活性化するはず。
自分たちで自分たちの産業を成立させるという勇気と知恵と選択。


7. 文化・芸術を切り口としたビジネスモデルのアイデア 17:05
① 現代アートのマーケットを作って、出資者を募り作品を債券化する。(YJCM)
アーティストによるプレゼンテーションの機会を作る。
プレゼンテーションに対して出資者を募る。
完成後、売れた場合には金額に応じて出資金と配当が返還される。
売れなかった場合には、レンタルによって配当収入を得ることも出来る。
② 容積率の緩和などで余剰資金を産み出し、都市景観の中にアートを溢れさせる。(YJCM)
建物を建築するときに容積率を3割緩和する。
それによってもたらされる利益の半分をアート作品の付置させるための財源とする。
10億円のビルが13億円になり、3億円の上乗せ分の1割が利益だとすれば1500万円が使える。
③ 歴史的建造物をビジネスに活用する。(YJCM)
開港記念会館・銀行協会・山手の外国人居住邸宅などの歴史的建造物の運営を民間に委ねる。
保存だけでなく、一部の改築を認め活用方法を考える。
レストラン・結婚式場・ギャラリー・物販・その他

8. 横浜から新しい時代を作っていこう 17:15
① 横浜が輝けば、横浜に憧れる人が増えれば、日本が変わっていく。
規制の緩和、特区の活用、条例の改正でほとんどのことは出来る。
あとは行政と経済人と市民のやる気と決断力。
前向きに横浜を変えていこうという人たちのネットワークが必要。
横浜で成功事例が出来れば、それを目指して全国からやる気のある人々が横浜に集まる。
そして全国に広がる。
② 見つけるための努力をすればやりたいことは必ず見つかる。
やりたいことが見つからないからフリーターになる。
自分自身の商品価値が一番高いのは、大学を卒業したとき。
就職は運命。必死に考えて一番自分の長所を評価してくれるところにもぐりこめ。
めぐり合えた仕事こそを自分の天職と思い込め。それが出来ないなら転職。
後悔しないためには関連がある転職を考えてキャリアの蓄積をしよう。
③ キーワードは「しあわせの選択」。
大人になるとすべての選択は自分の責任で行い、その責任は自分で負う。
リスクのない人生はあり得ない。誰にでも必ず選択や決断を迫られる時は来る。
知識を蓄えよう。見識を身につけよう。胆識を備えよう。そうすれば後悔しない選択が必ず出来る。
選択のものさしは「しあわせ」。自分にとって、家族・会社・コミュニティにとって、横浜や日本にとって、地球にとってのしあわせを考えて選択していこう。

17:30終了予定
(YJCM)は私たち横浜青年会議所が9月2日に発表する横浜JCマニフェストに含まれている内容です。

 
黒川勝事務所